異世界転入生
(ホントに本屋さんとか…オモチャ屋さんがある…それに、カフェとかも…)

意外と身近な物が色々とあるレーヌ通り
そして、活気にあふれている

「ねぇねぇ、魔法使えば何でも出せるのにさ…
何で、わざわざ買いに来てるのかな?」
「そりゃ、十分知ってたら出せるけど」
「知らないものは、出せませんですし…細部までイメージできなければ
違う物が出てきてしまうのですよ」
「それに、生きてる物は出せないしね」
「え?そうなの?!」

魔法で何でも出せると思っていたが、そうでは無いらしい
ユウは今まで自分が使ってきた物を出す事が多かったため
あまり実感していないが…知らない物を熟知するのは、なかなか大変なのだ
つまり、異世界などにある品物やイメージしにくい物
また、動物などは普通に売り物として成立するのだ
そして、独自のイメージを持って作った物は、お土産などになる

(まぁ、確かに…本の内容全部思い出して出すよりも
普通に本買った方が早いよね…ていうか、読まなきゃ内容分からないし…)

レーヌ通りでも、比較的数の多い本屋とペットショップに納得するユウ
イメージ出来ない本の内容は、買うしかない

「ねぇ、ココのお店寄っても良い?」

ユウが一つのお店を指さす
そこはオモチャ屋さんで、どうやら異世界から色々取り寄せているらしい

「うん、いいよ、入ってみよう」
「えぇ、レッツゴーです」

扉を引くと、カランという乾いた音が鳴り響く
中は、子どもから大人まで…そして異世界の人で、大賑わいだった


「へぇ…色々なオモチャがあるんだね」
「そうなのですよ」
「ま、一番のお勧めはコレだけどね!
この世界の玩具は凄いんだよ~」

そう言うライナに連れて行かれた商品棚の前
やはり、人気なようで、レジの前という、一番人通りの多い所に
広々とスペースがとられている
ユウは、どんな凄いオモチャが見れるのかと、とてもワクワクしていた
そして、その陳列棚を見て、思わず固まってしまう

「ふふん、このパッケージだけじゃ、何が凄いか分からないよね~
見た目はただの四角い箱だもん
でもね、この四角い箱の中が凄いんだよ!」
「…知ってる…」
「この世界は魔力が無い変わりに、科学技術っていうのが…って…ぇ?」
「知ってるよ…これ、僕の世界にあった物だから」
「「えぇ?!」」

そう、今目の前にある物は
いわゆる、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機と呼ばれる物のソフトで
ユウからしてみれば、とても馴染みのある物だった
実際、ユウの部屋にはそのソフトで遊ぶための本体がきちんとある
< 70 / 79 >

この作品をシェア

pagetop