ブロってますか？

「あのね、美沙子から聞いてるかも知れないけど、私一方的に絶交宣言されたの。それはいいんだけど、美沙子トールも無断で休むし、電話も出ないの。だから家の固定電話にかけて見たんだけど、それも呼び出すばかりで出ないの。もう３日ばかり出ないから心配になって…家に行って見ようと思ってたら健一さん見かけたから。」


健一には青天の霹靂だった。そう言えば出張中一度も美沙子から連絡は無かった。理恵に夢中で全く気にも止めなかったが。


「わかった。急いで帰って見るよ。恵美ちゃんも来る？」


「えぇ、何か胸騒ぎがするの。」


家に急ぐ２人。


到着し、玄関のベルを押すが応答はない。健一は持っていた合い鍵でドアを開けると飛び込んだ。
そこで２人は息をのんだ。荒れ果てた部屋…壁に刺さった包丁。引き裂かれたカーテン。美沙子の名を呼びながら探す２人。寝室に飛び込んだ健一は、ベッドの下に倒れている美沙子を見つける。


「おぃ、美沙子大丈夫か？」


健一の呼びかけにも反応は無い。かろうじて呼吸している状態である。どうやら外傷は無い様に見える。意識は無い。


「恵美ちゃん、救急車！」


健一の叫びに、恵美が電話に飛び付く。