ブロってますか？

しばらく携帯を眺めていた健一だが、メール受信する気配も無く…

『やっぱ、正直はまずかったかな。はぁ～。』

深い溜め息漏らし、その日は眠りに就く健一だった。

深夜、ベッド脇の充電器に差し込まれた携帯が振動する。
その音でまず美沙子が目覚める。

「あなた、携帯鳴ってるわよ。こんな時間に…なんか変わった事じゃないの？実家の方とかで？」

寝ぼけまなこで、携帯を手に取る健一。そこには、アリサのアドレスのメール受信のお知らせ表示。
「メ、メールだよ。迷惑メールみたいだ。ほら、あのよくあるじゃん。クリックしたら架空請求きたりとかさ。」

「そうなの？なら良いけど…開いたら駄目よ。削除してね。」

「わかってるよ。人騒がせだな。全く！拒否リストに登録しておくよ。」

心の動揺を悟られないよう、努めて冷静に話す健一。

『うわ～来たよ。今すぐ見たいけど、美沙子起きてるし無理だな。おっと携帯サイレントにしておこう。』

携帯を再び充電器に差し込むと、興奮で眠れないのだが再び布団を被る健一。

『朝になったら早めに家を出よう。』

朝が待ち遠しい健一だった。