ブロってますか？

隙間を埋めるのは…

本社に着き、部長の所へ行く健一。

「只今帰社しました。」

「おっ、お疲れ様。村下君から電話あって、良くやってくれて助かりましたって言っていたぞ。ご苦労様。」

『あのた～こ、油断も隙もないな！』
心で毒付きながらも、おくびにも出さず答える健一。

「はい、何とか順調に進んでいます。が、後何回か行って基盤を確固たる物にしたいと考えています。」

「それは、是非にやってくれたまえ。あの営業所の成績上がれば君の成績にもなるしな。まぁ今日はこれで帰っていいよ。今夜は奥さん孝行すればいいよ。」

「はい、ありがとうございます。失礼します。」

部長の言葉に甘え、そのまま直帰する健一。

「ただいま。」

玄関を開ける健一。
「あ、お、お帰りなさい。は、早いわね。」

慌てて携帯を閉じ、健一を迎える美沙子。

「うん、部長が上がらしてくれたから。今日は早く帰れってさ！」

そう言いながらネクタイを緩め、リビングを見回す健一。

「珍しく、散らかってるな？亭主元気で留守がいい！ってか？」

笑いながら言う健一に美沙子は…

「そ、そうじゃ無いんだけどね。いろいろ忙しくて…」

「そうなんだ。大変だね。」
冷たく言う健一