ブロってますか?
入口で一つ深呼吸して、事務所に入る健一。


「お疲れ様です!」

わざと大きな声を出し入室する健一。
皆一斉に顔をあげ健一を見る。
新人の2人は健一を見て驚き、そして満面の笑みを浮かべる。


「おーっ!岡村君、お疲れ、お疲れ。すまんね、今後の運営の事で色々して欲しい事もあるしまた宜しく頼むよ。一週間だったかな?」


所長が問う。


「はい、その予定です。後、これ部長から預かって来た資料です。」


書類を渡すと、新人の居る席に向かう健一。


理恵は先ほど所長が「岡村君」と健一を呼んだ時に、飛び上がりそうになった。

『岡村って健チャンと同じ名字…まさか、いや、健チャン当分出張ないって言ってたし偶然ね。でもやっぱり感じ良い人。』

声でわかりそうな物ではあるが、人は電話の声と実際の声では微妙に違うものだったりする。


「よっ!2人共仕事は慣れたかな?頑張ってる?」


「はい!」佐藤が答える。


理恵は「まだまだ分からない事だらけで…」


健一は理恵を見ながら、自ずと顔が赤らむのを感じた。


『いかん、いかん。やっぱり可愛いな。赤面してるの気付かれてないよな?』


「じゃ、一週間宜しく。」
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