ブロってますか？

その日の終業時刻前、健一は所長の所に行き、


「所長、今夜軽く一杯付き合ってくれませんか？」


「おっ、良いけど今日か？」


「御都合悪いですか？」


村下はちらっと佐藤の方を見て、


「い、いや何もない。じゃ早めに仕事切り上げるか！」


退社後、駅前の居酒屋にてビールで乾杯する２人。


「お疲れ様でした。」


「お疲れ、お疲れ、で、岡村くん何か有ったのかな？」


「所長、はっきり言います。所長と佐藤がホテルに入るのを見た、って会社の人間が居るのですが？」


途端に顔色変える村下。


「だ、誰が見たんだ。教えてくれ。」


「誰が見たかとか、この際関係ないです！それは事実ですか？」


「…は恥ずかしながら、た、頼むよ岡村くん部長にだけは報告しないでくれ。この通り。」


両手を合わせ岡村を拝む村下。


「所長も家族あるのに…まぁプライベートな事に口出しする気はないですから。でも、会社内では公私のけじめはきっちりして下さい。佐藤もあまり勤務上の評判はよくないみたいだし。」


「わ、わかったよ。とりあえず飲も、飲も。」


健一に酒を勧める村下。