午前7時40分。
「あ…安斎唯那」
いくら毎日すれ違っているとはいえ、見ず知らずの人に名前を教えてしまうのはどうかと思ったけど……。何故か言わなければ後悔する気がして、思わず答えてしまった。
「あんざいゆいな、か」
「はい……。あの、名前何て言うんですか?」
「黒崎真紘。真紘でいいよ」
「マヒロ先輩、でいいですか」
「……うん」
幸せそうに広角をゆるりと彼はあげた。
とくん、と静かに音を鳴らす心臓にはまだ私は気づかない。
いくら毎日すれ違っているとはいえ、見ず知らずの人に名前を教えてしまうのはどうかと思ったけど……。何故か言わなければ後悔する気がして、思わず答えてしまった。
「あんざいゆいな、か」
「はい……。あの、名前何て言うんですか?」
「黒崎真紘。真紘でいいよ」
「マヒロ先輩、でいいですか」
「……うん」
幸せそうに広角をゆるりと彼はあげた。
とくん、と静かに音を鳴らす心臓にはまだ私は気づかない。