午前7時40分。
仕方なく貰った携帯を触りながら学校へと急いだ。
学校に携帯を持っていくのは禁止されているので、音がならないように設定して鞄の奥にしまった。

それにしても……。

状況というのはあっという間に変わるみたい。
ただの他人から、知り合いへ。

私と先輩の距離は、急激に縮まった。


しばらくして教室の前に着いたものの、教室はとても静かで扉を開けるのに勇気を使う。

ガララ…

若干古い扉が音を立てて開いた。
うっ……、
視線が痛い……。

俯き気味に扉を閉めると、今年仲良くなった男子の理央くんに「寝坊?」と声を掛けられたので曖昧に笑ってかわし、席についた。

< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop