午前7時40分。
まだ、胸は一定のリズムを保ち跳ねていた。
彼の存在は、私の今後を大きく変えるような気がした。
先生が今日の日程を軽く話して一時間目の前の休み時間が来た。
「ユイ、遅刻なんて珍しいね」
「なっちゃん」
なっちゃんこと、夏希ちゃん。
少し癖のかかったショートヘアで、男女分け隔てなく接するため常に人が寄ってくる人気者な、私の親友。
「登校中に色々あって」
「へえ。声でもかけられた?」
「うん。高校生に…」