午前7時40分。
私がそう言うと、なっちゃんは口をぽかーんと開けて固まった。
「な、なっちゃん…?」
「……こうこーせい?」
「うん。西高の人」
「西高って、ユイの志望校の?」
やっとまともな顔に戻ったなっちゃんに問われて私はこくん、と浅く頷いた。
「なんでまた…」
「分かんないけど…。毎朝登校の時にすれ違ってた人で」
本当に、何で話しかけられたのか分からない。
何かしてしまったのかと思ったけど、全く思い当たる節がないし。
……うーん。
最近は、中学生をからかうのが流行りなんだろうか。
「ふーん。ユイも中々やりますねぇ」
「へ? 何が?」
「べっつにー?」