菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~
あたし、この人にひと目惚れしちゃったかも。


こんなときに…、

こんな絶対絶命のときに男の人にひと目惚れしちゃうなんて、あたしってどーいう神経してるんだろ!?


いや、そんなことより、今はあの人に助けてもらわなくっちゃ!


あたしは声をかぎりに叫んだ!

「お願いっ! 助けてーっ!」



「トーゼンだ。言われなくてもそのつもりだ」



言い終わるなり、あっという間にあたしを拉致ろうとした男をやっつけてしまうハーフっぽい男の人。


「おい、大丈夫か?」


「遅いよぉ…どーせ助けてくれるんなら、もっとはやく助けてほしかったよぉ……」

あたしは涙をボロボロ流しながら言った。

あんまり泣きすぎたせいか、すく目の前にいるハーフっぽい男の人の顔が、涙でにじんでよく見えない。
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