菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~
「キャッ」
あたしは慌てて長襦袢の胸元を押さえた!
「おい、なんだよ! いま“ドスン!”って、ものすげぇ音したけど、カミナリでも落ちたか!?」
「…って! 失礼ねっ! そんなに大っきい音はしてないよっ!」
「したした。部屋の床が抜けるかと思ったぜ」
「あたしはそんなに重くないですうっ!」
「いや、たしかに重かった。昨夜、お前をそのベッドまで運んでいった俺が言うんだからまちがいねぇ」
「…って! アンタがあたしをベッドに連れてったの!? おまけにあたしの振り袖まで脱がしてるしっ!」
「振り袖を脱がしたのは、そのまま寝せちまうと振り袖がぐちゃぐちゃになると思ったからさ。なんだよ、こっちは善意で脱がせてやったっていうのにさ」
「…ってか脱がせるとき、あたしが気を失ってるのをいいことにヘンなこととかしなかったでしょうねっ!?」
「してねぇよっ! …ったく、せっかく助けてやったのに、まさかそんなふうに言われるとは思ってもみなかったぜ」
「ソレとコレとはハナシが別だよ!」