菓恋（かれん） ～ｂｅ＋ひと目惚れｉｎｇ～

あたしは小さい頃から“社長の娘”とか”お金持ちの子ども”っていうレッテルを貼られて、みんなにもいつもそーいう目でしか見られていなかったと思う…。

親と切り離した別個の存在としてのあたしを、誰も認識してくれていなかったと思う……。


王子だけだよ、そーいうふうに言ってくれるのは…。

王子がはじめてだよ、あたしのことをまともに一人の人間として扱ってくれたのは……。


なんてうれしいんだろ♪

あたし、ちょっと感動してるかも♪♪



「ぐぅ～…」



そのとき、あたしのおなかがまた鳴った。

せっかくの感動ムードが台無しだよぅ…。

どうやら、あたしのおなかは生チョコの“おかわり”を欲しがってるみたい♪


「こいつぁ、驚いた。正月から早起きしてずっと仕事している俺のハラが減るのなら分かる。けど、昨夜から何もしねぇで、ただグーグー寝てただけなのに、いっちょまえにハラがへるんだなぁ」