菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~
だからトーゼンのことながら“オートマの車”のほうが運転がラク。


「俺、クルマの運転って好きだし、ギアをいちいちガチャガチャしなくちゃいけないほうが“自分でクルマを操縦してるんだ”って実感できて、むしろ逆に楽しいんだよ」

そう言うと王子はギアチェンジをして車を発進させた。


「へぇ~」

微笑みながら右手にハンドル、左手にギアを握る王子を見たとき…、

“やっぱり男の人がクルマを運転してる姿って、なんかカッコイイものがあるよね♪”

…って思った。


実際、王子は“急発進”とか“急ブレーキ”とかしなくて安全運転で走ってくれたから、はじめて乗せてもらったのに、すごく安心した気持ちで乗っていることができた。


「王子ってクルマの運転がうまいんだね」

「実はつい最近免許を取ったばかりなんだ」

「へぇ、意外」

「18になるまでは配達のときもただ同乗してるだけだったから、18になるのがホント待ち遠しかったよ」

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