運命のヒト

あたしの部屋で、帰りを待ってくれている人がいる……。

それを考えると、寒い夜に包まる毛布のような、ぬくぬくしたものが胸に広がる。


けれど同時に、シロに対して引っかかるものがあるのも事実だった。


“もしかしてあたしたちは、過去に会ったことがあるんじゃないか”

土曜日の件で芽生えた、その疑問。


もし過去に会っていたなら、いろんな辻褄が合う気がする。

公園で出逢ったときのシロの態度も。

数々の引っかかる言動も。


そして、あたし自身、最初からなぜかシロに惹かれてしまった理由も……。


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