運命のヒト

「それがねぇ、たぶん引越しのとき、どこかに紛れこんじゃったんだよね」


もともと社宅暮らしだったウチは、3年前、同じ町内に今のマンションを買って引っ越した。

例の日記帳をなくしたのも多分そのときだ、とあたしは思っている。


「あ、それじゃない?」

押し入れの一番奥から大我が引っ張り出した段ボール。あたしはその中身のひとつを指さした。


ざらざらした質感の群青色の表紙に、“K小学校・卒業アルバム”と箔押しの文字。

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