運命のヒト

「……おい、ミソラーメン」

腕組みをして考えこんだあたしを、大我がいぶかしげに凝視した。


「お前、なんか変なことに巻きこまれてんじゃねぇだろうな?」

「へっ? 変なこと!?」


巻きこまれてはいないけど、正体不明の男と同居してます。

なんて絶対、大我には言えない!
言ったら超あきれて反対されるにきまってる。


「な、何もないよっ。卒アル見せてくれてありがとっ」


アルバムを返すと、大我は腑に落ちない顔をしつつも、段ボール箱を押し入れに戻そうと持ち上げた。

が、次の瞬間ずるりと左手から箱が滑り、鈍い音をたてて床に落ちた。

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