運命のヒト
「急に来てごめんね。今日は大我くん休みだから、ゴハンでも作ろうかと思……あっ」
訪問者の言葉が途中で切れたのは、玄関のあたしの靴に気付いたからだろう。
あたしはあわてて立ち上がり、顔を出した。
「こんにちは。お邪魔してます」
「美園ちゃん、来てたんだ。こんにちは」
食材が入ったレジ袋をさげて親しげに微笑むのは、マホちゃん。大我の彼女だ。
大我と同じお店で働いている彼女とは、あたしもすっかり顔見知りだった。