運命のヒト

「お待たせしました」


ビールが目の前に置かれた。

運んでくれたのは、大我の彼女のマホちゃん。

あたしは「こんばんは」と、いつものように彼女に会釈した。


すると。


「美園ちゃんも仲いいんだね、大我くんの親戚と」

「へ?」


一瞬、誰のことかわからなかったけど、すぐにシロだと理解する。

そうだった。シロ、ここでは大我の親戚ってことになってるんだっけ。


「うん。仲いいって程でもないんだけど」

「そうなの? さっき二人が話してるの見て、すごいお似合いだと思ったよ」

「いや、別にそんなんじゃ」

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