運命のヒト
泡雪みたいに
「やっぱデケぇな」
ぶかぶかのロンTから指先だけ出して、シロが悔しそうに言う。
「あいにくチビに合うサイズは持ってないんでね」
サラッと嫌味を返したのは大我だ。
同じ部屋にあたしがいるのも気にせず、裸をさらした上半身をタオルで拭いている。
ここは大我のアパート。ずぶ濡れのシロに着替えを貸してもらうため、あたしからムリに頼んで立ち寄った。
一応、うちにもお父さんの服があるとはいえ、中年用をシロに着せるのは気が引けるから。