運命のヒト

「ぶっ」

吹き出してしまった。

あの今時な顔で田吾作と呼ばれているシロを想像すると、ダメだ、ウケる。


笑うあたしに大我の表情もゆるんだ。


「今日はアイツ、中番で10時まで働いてるから、ヒマだったら冷やかしに行ってやれ」


たぶん、冷やかしというのは建前で、本当は気を使って提案してくれたんだろう。

家でじっとシロを待っていても、落ち着かないのは目に見えてるから。

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