運命のヒト
関係ない
着信履歴が、同じ番号で埋まっている。
メールも、昨夜から連続で8通届いた。
『なんで電話に出ないんだ? 昨日のあの男と一緒にいるのか? 俺が離婚するかもしれないって時に、いい気なもんだな』
淫売。そんな言葉でメールは締めくくられていた。
……気が滅入る。少なくとも、朝の駅のホームで読むような内容じゃない。
あたしは携帯を片手で閉じた。
「おはよ、美園」
「あ、おはよう」
声をかけてきたのは、高校からの友人で歯科勤務のチハル。昨日の飲み会にもいた一人だ。