運命のヒト

「なんで……」

あたしは問いかけて、言葉を飲む。

なんで、ここまでしてくれるの?
なんで、自分の気持ちを後回しにできるの?

そうさせているのはあたし自身でもあるのに、勝手なあたしは、大我の優しさが胸にヒリヒリ痛い。


「別に、なんでもクソもねぇよ。俺がアイツのバイト代を預かってるから、さっさと渡したいだけだ」

大我はぶっきらぼうに言った。

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