運命のヒト

「あはっ……そっか……」

「あぁ」

「じゃあ……早くシロに会って渡さなきゃね」

「あぁ」


言葉にはしなくても大我の本心が伝わってくる。

あたしを大事に想ってくれると同時に、シロのことも大事に想ってるって。


それは、いつのまにか大我の中にもシロの居場所ができていたということ。

短い時間でも、シロはたしかにあたしたちと一緒にいた。

一緒に笑って、たくさん話して、時には他愛ない憎まれ口を叩き合った。


……ねぇ、シロ。戻ってきてよ。

アナタが何者でもかまわない、すべて受け入れると誓ったのは本当。


だけどそれは、アナタがそばにいてくれればこそ、なんだよ――。