運命のヒト

「ごめん。また今度……」

そう言って、あたしと大我が歩きだしたとき。


後ろから響いたトシロー君の陽気な声が、あたしたちの足を凍らせた。


「相変わらず冷たいな~美園ちゃん。
小5んときも勇気出して遊びに誘ったら、先約があるからってフラれたんだよなぁ。

えーっと相手の名前、何だったっけ、犬みたいな名前。

あっ、そうだ、シロ!」


あたしは目を見開いて振り向いた。

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