運命のヒト
「……実は」
ようやく声を出したあたしを、大我が神妙な顔で見る。
「今までにも不思議なことは、いっぱいあったの。
2週間前、初めてシロに会ったときから――」
あたしは、これまでのことを大我に打ち明けた。
午前0時の公園での出逢い。
突然現れたシロに名前を呼ばれ、抱きしめられたこと。
鳴るはずのない鐘が、あのとき鳴っていたこと。
あたしの趣味や、過去の出来事、誕生日などをシロが知っていたこと。