運命のヒト

結局、断るタイミングを逃したあたしは、忘年会に参加することになってしまった。


 * * *


あ……大我のお店からけっこう近いな。


雑居ビルの6階の、広さだけが売りの居酒屋に入りながら、ふと思った。


大我とは、昨日気まずい雰囲気になってから連絡をとっていない。

お互いに頭が混乱している今は、冷静な会話ができないから。

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