運命のヒト


部長による乾杯の音頭で、忘年会が始まった。

金曜日ということもあり、けっこうな人数が集まっている。

あたしは広いお座敷のすみっこの席に座り、ちびちびとビールを飲んだ。

青木さんは男性社員にお酒をついであげたり、灰皿を換えたり、積極的だ。


「キャバクラの方が向いてるんじゃない」

嘲笑混じりにボヤいたのは、あたしの近くに座っている正社員の女性グループ。


怖っ……。と思っていると、本社側のテーブルから、突然黄色い声が上がった。

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