運命のヒト
「美園。よかった、やっと話ができたね」
相当酔っているのか、赤い顔にだらしない笑み。
だけど目だけは狂気じみていて、あたしは背筋が凍りついた。
「に……2次会に、行ったんじゃなかったんですか……?」
「行かないよ、あんなヤツらとの飲み会なんか。それよりさぁ」
沢村さんがあたしの手首をつかんだ。
「早く、ふたりになれる所に行こう」
「……いやっ…!」
恐ろしいほどの力だった。必死の抵抗もむなしく、あたしの体はどんどん引っ張られていく。