運命のヒト
「あぁ。でも、俺に気づいてアイツ、すぐに走って逃げた」
「そんな……」
「追いかけようと思ったけど、お前を運ぶことの方が先決だったから。つかまえられなくて悪かった」
大我があやまることじゃない。あたしは首を振った。
……シロは、近くにいるんだ。
しかもあたしを助けたということは、陰で見守ってくれていたのかもしれない。
そこまでしてくれるのに、大我に見つかると逃げてしまったのはなぜ?
シロはあたしたちとの関わりを絶とうとしている。
その理由は、何なの……?