運命のヒト

「一度だけ歩人が、僕にムービーを見せてくれたことがあるんです」


……ムービー?

以前、あたしがこの携帯のデータを見たときは、画像のフォルダしか見ていないから気づかなかった。


あたしはもうひとつの動画フォルダを開いた。そして。


『――ぶははっ。園ちゃん、ド根性!』


いきなり聞こえてきたのはシロの爆笑の声。

映っているのは、夕方の砂浜で転んでいるあたし。

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