運命のヒト

おもにアジアの映画を扱う、小さな配給会社。

最近では社内で重要な仕事をまかされることも多くなり、ますます充実している。


「そういえば、うちの新入社員の女の子、あなたのお店のファンなんだって」

わたしが言うと、夫はハンドルを握ったまま「ありがたいね」と微笑んだ。


「しかもね、腕利きシェフでイケメンの旦那さんだから羨ましい、なんて言われちゃった。
家じゃただのオジサンよって教えといたけど」

< 394 / 415 >

この作品をシェア

pagetop