運命のヒト
「じゃあ、同い年のお前もオバサンか」
「失礼ね~」
夫は小さなイタリアン・レストランを経営している。
開店当初からクチコミで人気が広がり、特に日替わりで具が替わるフリッタータは絶品と評判だ。
わたしたちが結婚したのは25歳のとき。
お互いに忙しいけれど、家庭を一番大切にする気持ちは今も変わらない。
ふたりで幸せになること。
ひとつの幸せを築くこと。
それが、あのとき誓ったことだから……。