運命のヒト

……そのとき、ふと。今まで抱いたことのない感情が、胸に芽生えているのに気づいた。


子どもの頃からいつも守ってくれた幼なじみの大我。

わたしはこの人に、何がしてあげられるだろう。

この人と一緒に、何ができるんだろう。


誰かがわたしの背中を押してくれているような、不思議な感覚をそのとき覚えた。


「……あれ? 俺、寝てたのか」

彼が目を覚まし、バツが悪そうにベッドから離れた。

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