運命のヒト
あぁ、と彼は赤い顔で、ぶっきらぼうに頷く。
「もちろん、今すぐって話じゃなくて。でも真剣に結婚を考えて付き合ってほしい。
うまく言えねぇけど……俺は、絶対お前を幸せにするって、誰かと約束したような気がするんだ」
……その言葉を聞いた瞬間、胸が詰まった。
そして……置き忘れてきた“何か”をやっと拾えた気がした。
「……あはっ」
あたしは噛みしめるように笑った。
「なに笑ってんだよ」
テレ隠しで口をへの字に曲げる大我。
「だって、ビックリして」
「嫌か?」