運命のヒト
それでね、パパとママもいたの。今よりずっと若くて、お兄さんとお姉さんみたいだったけど」
「……え?」
「どこかの部屋で、3人でゴハン食べて笑ってたんだ」
一瞬、あたたかい光が脳裏をかすめた。
「すっごく楽しくてね。
それでボク、なんだかよく知らない言葉だけど、“うんめい”だなぁって思ったの。
パパも、ママも、どっちも。
ボクの“運命のふたり”だなぁって」
――…はらはらと、息子の顔に雫が落ちた。