運命のヒト
「あ、DVDでもつけよっか」
あたしはそう言ってテレビの横の棚を開けた。
8段型の背の高い収納には、映画のDVDがびっしり。子どもの頃から趣味で集めたものだ。
「何か観たいのある?」
と、あたしはシロの方をふり返ってたずねた。
けれど彼はなぜか、思いがけないものを見たような顔で止まっていた。
そして、その顔に徐々にまぶしそうな笑みが浮かんだ。
「やっぱり美園は、映画が好きなんだな」
「え……?」