運命のヒト


それからあたしたちはさっきと同じように、ううん、さっきより少しだけ近づいて、茶色いラグマットにちょこんと並んで座った。


画面に映し出される、オープニングの映像。


流れる音楽の中でシロの方をちらりと見ると、同時に彼もこちらを見た。

目が合って、意味もなくふたり笑った。



……あなたなの?



映画の台詞が、なぜか頭の中で何度も響く。



……ねぇ。

あたしの運命の人は、あなたなの――?





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