運命のヒト
青信号のデート
携帯の着信音で、目が覚めた。
ベッドじゃない。リビングのラグマットの上。
そして、シロが隣で寝ていることに気づく。
あ……。昨夜、映画の途中で寝ちゃったのか。
鳴り続ける携帯の音をぼんやり聞きながら、状況を理解した。
朝の白い光の中で、穏やかな寝息をたてるシロは愛くるしい。
おそらくハタチ超えてる男に“愛くるしい”はナイかもしれないけど。
「もしもし」
あたしは重だるい体を起こし、電話に出た。