運命のヒト
それからあたしたちは車に戻り、夕暮れの町をドライブして帰った。
夕食はリビングでお鍋をした。家に土鍋がないから、わざわざこのために買って。
ぐつぐつと野菜が煮えるのを見つめながら
シロがいなくなった後もこの土鍋を使うことはあるのかな……なんて少し考えた。
「じゃあ、シロはこの部屋使って。普段は物置にしてるから狭いけど、1人分の布団なら敷けるから」
「がんばれば2人分も敷けるんじゃね?」
「はいはい、おやすみー」
セクハラまがいの軽口を叩くシロに布団を押しつけ、あたしは自分の部屋に入る。