転校生
放課後
陽輝君は大阪でラグビー部に
入っていたようだ。
しかもあの強豪な星華高校
そりゃがたいもいいわけだ。
「俺な!ラグビーめちゃ好きやねん」
楽しそうにラグビーの話しをする
陽輝君を見て私もつい笑顔になった。
「柚妃ちゃんは部活やってへんの?」
「バドミントンやってたよ!もう引退したけど」
「俺バドミントンも好き♪
スマッシュとかかっこいいやんな」
「決まるとスカッとするよね!」
そんなたわいもない会話を
していたらあっという間に1日が終わった。
みんなが出てった後の教室。
ぼーっとグランドを見つめる…
懸命に走る陽輝君の姿を見つけた。
「かっこいいなあ~」
知らず知らずのうちに
そんなことを口にしていた。
「だーれーが?」
「うわっ!優菜かあ~びっくりした」
後ろに居たのは優菜
吹奏楽部だ。
楽譜を忘れて取りに来たみたいだ。
「ね~かっこいいって誰?」
「陽輝君だよ」
「どこどこ?」
「ほら!あそこ」
「確かにかっこいいね~」
「でしょ♪てか部活は?」
「あ!やばっ」
そう言って優菜は走って出て行った。
急に寂しさを感じた私は
夕日が差し込む教室を後にした。