幸せを運ぶ堕天使
天界には捻話という、脳に直接呼び掛ける魔法があるからこんなの使わなかったのに…。
…………さっきから天界天界ばかりだな、未練がましい。
でも、天界では便利だったな…。
これから先、どうしようか。
いくら堕天使にも寿命がないからといって、アルバイトを永遠にやるわけにはいかない。
今は寒い時期の12月上旬。
この時期でいい仕事ねぇ…
俺はコーヒーを飲む。
スマートフォンをいじる。
コーヒーを飲む。
スマートフォンをいじる。
コーヒーをの……………
ん?
ふと、隣から聞こえてきた話。
天使なのに…いや、だったのに地獄耳ですみません。
「あーくそっ!来月受験じゃん!」
「でもあと1ヶ月で解放されるから頑張ろう!私立で単願なんだし、すぐ終わるじゃん」
「だけどよー…面倒臭いもんはしかたねぇ。確約貰っちゃうと合格した気になっちゃうんだよ」
「あー…それはある」
なんていう会話が聞こえてきた。
ということはこの子達は中学三年生か……頑張ってるね。
………………………あ。
あるじゃん、仕事。