幸せを運ぶ堕天使
俺はすぐにファミレスを出て書店へ向かった。
街はクリスマスのイルミネーションでキラキラと輝いていて、それにつられて沢山の人の笑顔。
その笑顔もキラキラ輝いている。
そうか…
受験であると同時にクリスマスでもあるのか……
そんなことを頭の隅で思い、書店で目的の物を購入した。
まるで天界の冷たいコンクリートを思い出させるような寒さに耐えながら、俺は自分の家へと向かう。
少しするとボロまではいかないものの、まぁ住めるからよしとしようという思いで購入したアパート。
お金はもちろん天界で働いていた時のもの。
これから先、働かないで暮らしていけるほどのお金は人間にとってあるがそれでは人間界でいう『ニート』になってしまうし、寿命がないためどちらにしろ無くなってしまう。
それに働きたいし。
だから俺はこのアパートにすんでいる。
俺は大家さんにこんばんはの挨拶をしてから家に入り、もともとあった電気ストーブのスイッチを入れて部屋を暖めた。
そしてその日は夜に別の仕事が入っていたため、少しだけ書店で購入したものをやってまた出掛けた。