幸せを運ぶ堕天使
 

天界には二度と行けない、魔法は使えるが天界の加護が受けられないため回数が限られて、しかも悠々しく生えている翼が黒色に染まってしまうなど様々なデメリットがある。


でもやっぱり、生きているだけよしとしようと思ってしまうのは、俺がお人好し過ぎるからかもしれない。


苦笑いを一人浮かべ、また小さくなった時。


この小さな一室にある鉄格子が冷たいコンクリートの上を擦り、鉄格子の接続部分が錆びているのか嫌な音を発しながらゆっくり開いた。


「受刑者No.16、シュレイ・レクセル。罪が裁かれる時がきた」


俺は半目の目を擦り、声がした方へと顔を向けた。


あぁ、今日で天界とおさらばか…

にしても受刑者No.16って…俺入れて16人しかいないんだ……


くどいようだがこんな時にこんなことを思ってしまう俺って、やっぱり馬鹿なのかもしれない。


















結局、何の抗議も出来なかったな。


そんな思いのまま、俺は牢獄の外へ出た。
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