§魂呼びの桜§ 【平安編】




鋭く伸びた爪が、帝の首に食い込む。




強い力で締め上げられ、帝はそのまま倒れ込んだ。




次に赤く濁った瞳は右大将を捕らえ、跳躍する。




恐怖にゆがんだ顔の右大将を抱きすくめると、そのまま消えたーーー。










桜色の霧が消えると、桜の花びらが、気を失った帝の体に降り積もっていた。



まるで彼を労わるかのように。
































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