§魂呼びの桜§ 【平安編】
本心ではない、上辺だけの言葉。



どちらも他に幾人もの恋人がいる身。



今この時、この肌を重ね合わせた時だけが、真実の時。















だから、少将は薄く笑った。



それは自嘲の笑み。



本当の恋を知らない自分を嘲る口の歪みだった。












二人はそれぞれ別々に局を後にする。



次の約束はない。



ただお互いを思い出したら会うだけ。




相手の肌のぬくもりを欲した時に会えばいいのだ…………。




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