あなた色に染まりたい
「おい、蓮!」




悟が突然話し掛けてきた。




「何すか?」


「おまえ、ちゃんと俺に報告しろよな?一ヵ月も前から付き合ってたなんて、知らなかったぞ。しかも俺だけ知らなかったなんて……」




悟の声が、だんだん小さくなっていく……


ふふ……悟いじけてるし。




「すんません。」




すかさず蓮が謝ったけれど、今度は美香が悟を一喝する。




「ちょっと悟、いつまでそんなちっちゃいこと言ってんのよ!」


「ちっちゃい言うなー!!」




ふふ……やっぱり夫婦漫才みたい。




「そういや紗羽、一ヵ月前ってさ、俺聞いた時何も言わなかったじゃん?」


「なんか聞かれたっけ?」


「ほら、美香迎えに行ったけど、こいつ酔い潰れて寝ちゃった日だよ。」




あ……


そういえば“最近蓮とはどうだ?”みたいなことを聞かれたっけ。




「あの時はホントにまだ何もなくて……」


「でももう好きだったんだろ?」


「まぁ、そうだけど。」


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