あなた色に染まりたい
美香が“あら、余計なこと言っちゃった?”って言ってるけど……絶対にわざとだ。


あたしの反応を見て、面白がってるんだ。




「マジ?」


「うん。」




もう、恥ずかしすぎる。


そのまま蓮も口を開かなくて……


気付いたら……




「着いたよー。」




悟のアパートに着いていた。




正直、どうしていいかわからない空気だったから、助かった。


みんなで部屋に入って、早速飲み始めた。




「そういえば紗羽、あれはどうしたの?」


「あれ?」


「ほら、“付き合って”ってしつこい人がいるって言ってたじゃん。」


「は?」




美香の声に真っ先に反応したのは……蓮。


凄く険しい顔でこっちを見てる。




「何だよ、それ。」


「いやね、何回も断ってるんだけど。」




夏休み前に、同じ学部の人に“付き合って”って言われたけれど……ちゃんと断った。




でも……夏休みがあけて、また言い寄ってきたんだ。


< 110 / 423 >

この作品をシェア

pagetop