あなた色に染まりたい

「いつから付きまとってんすか？」


「は？付きまとうって何だよ！」


「紗羽が嫌がってんだろ！？」




蓮が怒ってる。


こんな蓮、見たことがないよ。




「つか、鳴海さんってＴ校出身だよな？」




いつの間にか、タメ口で話している蓮。


それだけ怒ってるってことなのかな。




「だからなんだよ？」




蓮がさらに鳴海くんを睨む。




「まさか……あの水島？」


「知ってるんだ？まぁ俺は弟だけどな。もう紗羽に近づくな。またこんなことがあったら……そん時は俺、容赦しねぇからな。紗羽行くぞ。」


「え、うん。」




蓮はあたしの手を握って歩き始めた。


あの水島って何？


弟って何？


鳴海くんの顔が、青くなっていた。




蓮って、何者――…？




「紗羽、大丈夫か？」


「うん、ありがと。」




目の前に蓮がいるってだけで、凄く安心する。




「晴希さん、ありがとうございました。晴希さんに任せといて良かったです。」