あなた色に染まりたい
再会
衣替えの時期になり、明るかった服も茶色や黒の秋色が目立つようになってきた。
今日も晴希と一緒に講義を受けてる。
バースデーパーティーで、晴希が言っていた恋のお話があまりにも切なくて、凄く気になっていた。
「どうなった?その後は。」
「は?」
突然、主語もなく振られた話題についていけるわけもなく、晴希は顔を歪めた。
「ほら、この間言ってた人妻との恋よ。」
晴希はあたしの顔をジッと見て、小さく溜め息を吐いた。
「あれ、ホントに人妻だと思ってたんだ?」
「え、違うの?」
人妻じゃ、ない?
晴希の思いがけない言葉に、どうしていいのかわからない。
「紗羽は気付いてると思ってたけどな。」
「何で?」
あたかも、あたしが知っているような口振りだけれど……あたし、何も知らないよね?